冬が旬の赤い高級魚、キンキ。タンパク質よりも脂質の多い魚で、柔らかい白身に脂が乗ってとろける味わいです。
その上質な脂と旨みを一杯の中に丸ごと閉じ込めるために、魚全体を乳化させるという今までにない方法を取ります。
もう一つの赤い魚、金目鯛と合わせることで、味に奥行きが生まれます。
これまでにない、極上の魚介白湯の誕生です。

淡白な旨みのフグを使って拉麺スープを作り上げるために、一杯につき１kg以上の大量のアラを使い、さらに、熟成と燻製、炙りと複数のアプローチをとり、ひたすらに根気強く炊きました。
さらに、「西のフグ、東のアンコウ」と言われる高級魚、アンコウをパートナーに。アンコウも同じく手仕事で濃縮し、ダブルスープとしました。
上品ながら濃い、今までにないフグの味をお楽しみに。

珍しい純国産鶏で鶏本来の味わいを楽しめる岡崎おうはんの中でも、飼育日数の600日と長く味の濃いものを、１杯につき3羽使用して作り上げます。
職人の技術と知恵を注ぎ込んだ輝く清湯へ、希少な部位の脂のみから精製した美しい極上の鶏油を加えます。
重さを気にすることなくたっぷりと使うことができる黄金に輝く鶏油は、他で出会うことはできません。

ハンガリーの国宝とも称されるマンガリッツァ豚ですが、実は故郷と似た気候の十勝で大切に飼育されています。
この十勝マンガリッツァのゲンコツ（足首から先の骨）を用いて深く濃厚な豚骨スープを作り、ミンチ肉を使ったテクニックで、旨みだけを残した絶妙なバランスで雑味や脂肪分を取り除き、透けさせます。
ナッツのような繊細な風味と透けた見た目に反して、しっかりした旨みはきっと驚いていただけるはず。

じっくりと炙った鮭児のアラからとった出汁を濃縮し、新鮮なサーモンをペーストにしたものと合わせ、少量の生クリームを加えてコクを出しつつ、麺にからむ最適な粘度に調整しました。
これまでにないアイディアからできた、一つずつの工程の丁寧さと素材の味にごまかしのきかない、ほぼ鮭でできたソースのようなスープです。濃厚な旨み、甘みが食後も幸せな余韻を残します。

海老特有の旨みと甘みの元となるアミノ酸を豊富多く含む身、甲殻類特有の香りと豊かな味わいを持つ味噌や殻。
伊勢海老の持つ多彩な魅力をあますことなく一杯で味わえるようにとスープをつくりあげました。
殻から調整した海老油は丁寧に乳化させ、海老味噌と、真空調理で甘みを強調した身のペーストを合わせます。
伊勢海老の旨さ、全ての要素をいっぱいに詰め込みながらも調和させました。

冬の一時期にしか採れない本ズワイガニの、雌と雄を重ねて濃縮した出汁をとります。
１食分につき、雄を丸ごと１杯、雌を４杯使うという贅沢さ。
こうしてとった蟹出汁は、蟹本来の旨みと甘みが凝縮した未体験の特濃さです。
この蟹出汁に背脂を合わせ、拉麺スープへと昇華させます。